T Topologic/Today/true/tomorrow,
R Real/Roots/Regionally/Round,
O Open/Only/Ocationally/Óther, and so on
N Narrative
着目するのは「ナラティブ・ベイスト・メディスン」
TRONは、NBM(ナラティブ・ベイスト・メディスン)に着目するメディアです。
ナラティブは、話し手が「主役」の物語です。同じ出来事でも話し手によって異なる内容になりえますし、完結することが目的ではありません。
実際に各コンテンツでは、その人にとっての実際のところ(Real)を大切に、開かれた(Open)語りや対話を目指すことになります。
TRONはなぜ今、ナラティブ・メディアなのか
なぜ「ナラティブ」なのか
問いを立てるのをやめようとしたのだと思います。
問いを立てると答えが必要になってきます。
でも、臨床(と人生)は答えはあっても正解がなかったり、答えがなかったりします。
医療者は、医学という専門性を患者さんが送る人生の一要素としてどう役立てるか腐心されます。その人生はひとりではありません。家族や周囲と合わせ、医療者も登場人物の一員となり、時に重要な役割を果たしながらつむがれます。
ナラティブ・ベイスト・メディスン(NBM)において、患者さんがなぜ「その希望」を持っているのか人生をひも解いていくように。
医療者Aさんがなぜそういう役割を果たしているのか、Aさんの人生をひも解くことが、毎回異なる臨床の、今後のヒントになっていくのではないかと考えています。
ですので、ナラティブ・メディアとしてのTRONは、ガイドラインの推奨グレードといったエビデンスに無関心ではありませんが、ナラティブにフォーカスすることでまず正解探しから解放される場でありたいと思います。
エビデンスの構築の際に用いられるロジックや手法を必須とせず、臨床を可視化する試みとも言えます。
なぜ「今」なのか
ゆっくりと時間をかけてナラティブが患者さんのよりよい人生のため必要という考えが昨今浸透してきたためです。
TRONは、20年ほど医書編集者として過ごしてきた管理人(香西と言います)が始めました。
すごく優秀でもない20年で、無力を感じることが少なくありませんでした。
ただ、思い続けてきたのが、医療現場でも「弱い」ところに目を向け続けよう、エアポケットに落ち込んだようなところがそのままにならないよう、そのとき何もできなくても見続けようということでした。
(それが結果的に、私の場合は在宅・新生児・小児・希少疾病といった領域となったので、TRONはこれらの要素が多めのメディアになると思います。)
サイエンスである医学には大体、一応、最適解がありますが、医学が活用される人生の選択は、その解と必ずしも一致しません。特に「弱い」ところでは、解に従おうにもお金がなかったりそもそも治療法など参考になる前例がなかったりも多々あります。
現場は割り切らずなれずあきらめず医療の質を求め、自問自答したり対話したり診療したりします。
医療者Aさんが言いました。
「Bさんは最後までおうちに居たいといっていたが、意識不明になったとき病院に運ばれそのまま最期を迎える事になった。残念なケースでした」
これは「Bさんの人生の答え」ではありません。医療者Aさんのナラティブです。
このように近年、かつては病院に象徴される「医療だけの世界」で運用されてきた医療が、それだけで完結せず社会や人生の中での価値に目が向けられるようになりました。
この価値を可視化するキーワードがナラティブだと思います。
AIはじめとするビッグデータ活用により個別最適性が急伸するといった背景からも、今後いっそう、ナラティブ重視の流れが強くなると思います。
TRONの由来
IoT 分野で 6 割以上の市場占有率を誇った、日本生まれのコンピューター用基本ソフトウェアTRON(The Real-time Operating system Nucleus)が本メディア、TRONの由来です。
TRONは1984 年に東京大学の坂村健氏によって開始されました。プロジェクトの目標は、社会のあらゆるニーズを満たす理想的なコンピュータ アーキテクチャとネットワーク構築です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/TRON%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88
Windowsよりも先進的と言われ、現在、ユビキタスともいわれる概念のもととなった「どこでもIOT」の世界を実現させる、日本発の世界に誇る組み込みOSがTRONです。
主張しない、オープンソースで誰でも使えるシステムの機能・仕様・ソースコードが公開され、入手した人はどのように使っても、改変しても構いません。入手した報告もどのように使うかの公開も必要ありません。