2024年5月、日本医工学治療学会第40回学術大会の取材レポートです。
本会は、医学・医療と工学にかかる多領域から専門職が集います。
今年は「明日の医工学治療を科学する」と掲げられたテーマのもと、ポストコロナやAIといったトレンドのもとで技術革新に向けた活発な議論がなされました。
プログラムなど詳細はこちらからご覧いただけます。
http://jste40.umin.jp/program.html
開催概要
日程:2024年5月25日(土)、26日(日)
場所:ウインクあいち(名古屋)
大会長:西田 修先生(藤田医科大学医学部 麻酔・侵襲制御医学講座 主任教授/同 大学病院 麻酔科教授・集中治療部長)
医学・医療の進歩は医工学の進歩と歩みを共にしてきました。大会テーマ「明日の医工学治療を科学する」は、AIやDXの波が医療界を進化させつつある昨今の流れを受けて決定されました。
実際の会場は、医療技術の革新と実用化に向けたステップが共有される場として研究成果が共有されるだけでなく、参加者同士の活発な議論が新たな発見につながる場面が複数見受けられたことが印象的でした。
日本医工学治療学会について
同学会は、1995年、医工学治療研究会が日本医工学治療学会として再発足しました。医工学技術をどのように治療に応用するかを共通の命題とする各専門職の相互啓発によって活動が行われています。
臨床医、医工学者、臨床工学技士をはじめとするメディカルスタッフなど多様なバックグラウンドの方々で構成される学会です。
分野別にみても呼吸・循環・代謝に関する様々な臨床分野にまたがるため、年に一度の学術大会はさながら「異文化コミュニケーション」の場の様相を呈し、大変刺激的
(西田大会長のメッセージより http://jste40.umin.jp/greeting.html)
取材講演
今回取材した講演一覧をご紹介します。詳しくはリンク先のプログラムからもご確認いただけます。
http://jste40.umin.jp/program.html
招請講演
「デジタル・AIを活用した、これからの医療・ヘルスケアのあり方」
司会:西田 修(藤田医科大学医学部 麻酔・侵襲制御医学講座)
演者:鈴木 康裕(国際医療福祉大学 学長)
共催:株式会社フィリップス・ジャパン
特別講演2 「臨床現場で役に立つ医療AIを開発するために必要な3つの”D”」
司会:高木 俊介(横浜市立大学附属病院 集中治療部)
演者:木下 喬弘(株式会社MeDiCU)
シンポジウム8 「遠隔技術を用いた診療や教育への応用」
司会:
橋本 悟(NPO法人集中治療コラボレーションネットワーク)
大下慎一郎(広島大学大学院 救急集中治療医学)
演者:
高木 俊介(横浜市立大学附属病院 集中治療部)
中西 智之(株式会社Vitaars)
塩塚 潤二(自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部)
中山 龍一(札幌医科大学医学部 救急医学講座)
藤内 研(自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座 集中治療医学部門)
辻本 貴紀(慈恵医科大学病院心臓外
基礎から学ぶセミナー1 「補助循環装置の「流れ」を見る」
司会:西村 隆(愛媛大学医学部 心臓血管・呼吸器外科)
演者:築谷 朋典(国立循環器病研究センター研究所 人工臓器部)
教育講演
「医工学連携による循環動態モニタリングのロマン」
司会:野手 英明(愛知医科大学 麻酔科学講座)
演者:中村 謙介(横浜市立大学附属病院 集中治療部)
共催:エドワーズライフサイエンス合同会社
学会の意義と今後の展望
大会取材を通じ、改めて医療と工学の融合が医療の進化にもたらす可能性と同学会が果たしてきた役割、その活動が多方面からの支持で加速されていることを実感しました。
AI、ロボティクス、バイオセンサーなど最先端の技術がどのように応用されるか、今後の医療への寄与がいっそう期待されます。今後も引き続き、同学会の取り組みを紹介してまいります。(編集部 香西)
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